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  • 2022/07/12

タオルに関心をもってもらえる商品を作りたい

1934年創業以来、88年にわたり泉州タオルを作り続ける金野タオルさんにお話を伺いました。

インタビュー先
  • 金野タオル株式会社 代表取締役社長 金野泰之様
    営業企画部 山田春花様
    https://www.kinno.co.jp/
  • 社長の金野泰之さん(59歳)は、都市銀行に就職し銀行マンとして8年間武者修行をされました。そして、32歳の時に先代である父から事業を引き継ぐべく金野タオルへ入社し、企画室長として商品作りから会社運営のあらゆることを受け継いでいかれました。

    1994年といえば、バブル崩壊後で日本全体が大変厳しい状況下にありました。タオル業界もかつてない試練の時を迎えており、特に海外産の安価なタオルが次々と日本へ進出してきていました。日本のタオルメーカーの生産も人件費の安い海外へとシフトしていったのです。日本のタオル業者は最盛期の半分くらいまで減っていきました。金野タオルもバブル崩壊前に比べれば、売上は減少し苦戦していました。

厳しい中でも工夫して雇用を守り、新しい価値を創造する

そのような中で、泰之さんは業績が厳しい中でも、雇用を守る工夫、努力をしてきました。減少した生産に携わる人員に、小売店向けの小口出荷やネット販売などの個人向けの物流部門への配置転換を行いました。新たに開発した自社オリジナル商品を売ることで、良好な関係を続けていた既存の問屋のビジネスに影響を与えない配慮もしっかりと行っていました。

一方で、タオルの商品開発はどうしても問屋頼みなところが課題でした。問屋が小売店での売れ筋を把握し、その要望に沿った商品を開発することが当たり前だったのです。

しかし、日本でタオルというと、お歳暮、お中元、プレゼントで“人からもらうもの”という認識がお客様の中でどうしても強くありました。問屋頼みの商品開発だけではなく、自分たちで知恵を絞ってIdeaを生み出し、お客様を“もらうタオル”から“欲しいタオル”という意識に変えていきたい、その思いがより一層強くなっていきました。


世界的デザイナーのShinzi Katohとのコラボレーション

世界的デザイナーのShinzi Katohとのコラボレーションは、まさにそんなタイミングにご縁があり実現しました。Shinzi Katohは、雑貨、靴、服、ジュエリーなど15,000以上の様々なプロダクト・デザインを国内外へ送り出していて、ディズニー、ポケモン、ウルトラ怪獣、鉄腕アトムなど有名キャラクターとのコラボレーション作品も多数です。

そんなShinzi Katohとデザインを考え、それに合う素材も金野タオルの社員が自ら選んでいるのです。

金野タオル本社の前にある直営ショップをのぞくと、そこにはShinzi Katohのタオルがずらり!どれも、本当に可愛くて、見ているだけでワクワクしてきます。

他に真似されるくらいのタオルをつくる

  • タオルという商品は、特許などで戦う市場ではありません。売れ筋は簡単に真似をされる世界でもあります。そんな市場の中、泰之さんはむしろ“真似されるくらい”のタオルを作ればよい、と信じています。特に、この泉州地域は日本屈指のタオル産地で、いわば“タオルの強者”が集う場所です。そんな場所で、真似されるくらいの商品作りができれば、きっとお客様にも響くだろう。

    そんな思いで、社内の商品企画に携わる3名の女性スタッフと社長が日々、アンテナを張り巡らし、店頭の視察やSNSで世の中のトレンド、お客様のニーズを把握しているのです。山田さん曰く、社長はスタッフの意見やIdeaを聞いてくれるから、仕事もやりやすいしやりがいを感じるとのことです。

ふるさと納税は、全国のお客様へのショールーム

ふるさと納税では、「ママがラクできるシリーズ」や「普段使いシリーズ」がよく出ているそうです。あまり凝った商品よりも、定番で使いやすい丈夫なタオルが人気のようです。薄手もしくはコンパクトなので洗濯が楽で、その上、しっかりと織り上げているので丈夫で長持ちするのが支持されている理由なんでしょうね。

思い返せば、ふるさとチョイスの社長と泉佐野市役所の担当者が会社にやってきて、直営ショップで見たShinzi Katohの商品をみて、是非これから始めてみてはとの提案をもらったのが2014年のことでした。まだふるさと納税がどうなるかも分からない段階でしたが、地元泉佐野市へ貢献したいという思いから参加を決断されました。

今では、寄附者は全国津々浦々で、リピーターも増えているそうです。泉佐野市のふるさと納税は、全国の自治体の中でも品揃えはトップクラスで、食品から日用品までありとあらゆるものがある。その中で埋もれないように、お客様に求められるタオルを今後も提供していきたい、と意気込まれています。

タオル作りとは、シンプルに、いいものを作って喜んでもらうこと。

お客様の声をどんどん聴きたい。楽天のレビューでたとえ辛辣なコメントであっても本当に有難い。お客様の反応をバネに商品開発をして、その結果、タオルに関心をもってもらえ、喜んでもらえる商品を作りたい。そうすれば、タオルはもらうものという感覚から、自分が気に入ったものを選ぶようになっていく。


そんな思いを社長だけではなく全スタッフが持ちながら日々、タオルのことを一生懸命考えて取り組んでいます。
金野タオルの社是がすべてを物語っています。

夢に触れてみる~もっと暮らしをやわらかく~