みなさん、冬場は旅先で牡蠣を堪能される機会もおありのはず。特に、日本では広島県が年間の水揚げ量もダントツで、その味も極上と人気です。一方で、関西においても、兵庫県や三重県、京都府でも養殖牡蠣の水揚げがされています。大阪湾においても牡蠣を養殖できる水質などの条件は整っているため、各地で試験的に牡蠣養殖を行う風潮が出だしました。
水産会社として、これまでは漁師さんが獲って下さったものを買い付けるというのが当たり前でしたが、現状の水産業界では、漁師さんの高齢化や担い手不足、さらには海の環境が変わり、資源である魚が減少しているという深刻な状況が起こっています。
このまま次世代の水産業の担い手にバトンタッチはできません。

今回のプロジェクトでは、他県の牡蠣を仕入れて、加工・商品化するのではなく、「資源を守り、次世代に受け継ぐ」をテーマに、地場の海で養殖する過程から新規参入し、地元の海で育ち、水揚げした事実をブランド化することで、牡蠣を筆頭に、泉州産の海産物全体に光が当たるチャンスを頂戴したいと思います。
養殖は、泉南市岡田浦漁港付近の沖合で行い、養殖手法としては、日本で9割以上の牡蠣養殖実績を持つ、イカダなどから牡蠣を吊り下げて養殖する「垂下養殖」ではなく、養殖過程から稚貝を1個づつバラバラの状態でバスケットに入れて養殖する「シングルシード牡蠣養殖」を用います。
これにより、初年度から正確な個数管理・生育管理ができます。まず、初年度は10,000個の稚貝を試験的に養殖し、1個100g程度まで育成した上で、水揚げして、試験養殖品としてご提供させていただきます。

ブランド牡蠣の創出に加えて、泉佐野市は空港対岸地域ということで、牡蠣小屋というタッチポイントがあれば、地域のお客様にとどまらず、外国のお客様も多く来られることになると考えます。
「泉佐野＝牡蠣」というイメージを持っている方はまだおられないはずなので、外国の方にとって、初めて日本に降り立った空港の対岸都市で、日本の牡蠣が食べられるとなると、泉佐野の街の新たな魅力創出にも少しは寄与できるかと思っています。
今回の「獲る漁法から育てる漁法へ」のプロジェクトを通して、貴重な水産資源・魚が豊かな漁場を次の世代にも残す仕組みを開発し、泉佐野に本拠地を置く水産会社として、地域の子どもたちにも、水産業の現状を発信する機会を設けるなど、地域の漁業について理解を深める活動やイベントを積極的に行っていきたいと考えております。新たな種目の養殖業により、地域の新たな雇用を生み出すとともに、水産関連の職業について理解を深め、地域の漁業振興、ひいては大阪の水産業の発展に寄与してまいります。

寄附金額が目標を達成し、予定通り事業実施できる際のスケジュールです。
2024年8月：本番養殖開始
2024年9月：加工場兼直売所 建設
2025年1月：機材・備品搬入
2025年3月：加工所兼直売所 開所
2025年4月：養殖牡蠣の返礼品を順次発送