ふるさと納税の本来の役割とはISSUE

3.新・ふるさと納税の問題点

③指定制度問題

指定制度は、まるで自治体に踏み絵をさせるような内容になっており、総務省の恣意的な解釈によってふるさと納税に参加できる自治体を選ぶため、地方自治体が総務省の機嫌を伺わざるを得ないような、地方自治の理念から程遠いルールになったと考えています。

毎年届出が必要、従わない自治体は排除

2019年6月から、ふるさと納税を実施したい自治体は、総務大臣の指定を受けなければなりません。指定には、毎年更新手続きが必要です。
また、国の意に沿わない寄附募集をした自治体は、指定を取り消され、向こう二年間指定を受けることができなくなります。
また、指定されるためには、総務省の考えている「寄附金の募集の適正な実施」が必要で、返礼品は「調達率30%以下」、「地場産品」に限りますし、返礼品を強調した寄附募集は禁止されており、これまで自治体が当たり前のように実施していた寄附募集のやり方がほぼ全て否定されており、まともな寄附募集ができない仕組みになっています。

あれもダメ、これもダメ

総務省が考える「寄附金の募集の適正な実施」では、以下のような寄附募集をすることができません。

➀寄附募集にあたり、第三者に謝金を払って勧誘させてはいけない。ただし、ポータルサイトは、規制の対象外。

②新聞など広告媒体に返礼品を強調した寄附募集の広告掲載をしてはいけない。

③返礼品の情報が大部分を占めるカタログを作り、不特定多数の人に配布してはいけない。

④寄附募集にあたり、「お得」「コスパ最強」「ドカ盛り」「圧倒的なボリューム」「おまけ付き」「セール」「還元」などの表現を使ってはいけない。

⑤ポータルサイトについて、返礼品のカテゴリ検索、ランキング表示など、返礼品を強調した情報提供をしてはいけない。

以上は、これまで自治体が寄附募集のため当前のように取り組んできた方法ですので、これらができないということは、総務省は自治体やポータルサイトに「積極的に寄附を集めるな!」と言っているのと同じだと考えています。

寄附者を置き去りにした規制

上記のうち、➀の第三者に謝礼を払って集めること、②の新聞への広告の掲載などは、寄附募集になるべくコストを掛けないという意味では一定理解できますが、③のカタログを作って不特定多数に配布してはいけない、④のお得感を訴求する返礼品タイトルなどは、これまで当然のように寄附募集の際に行われていたものですし、⑤のポータルサイト内でカテゴリ検索、ランキング表示ができないというのは、寄附者の利便性などは一切考えておらず、総務省は、自治体だけでなく、本来の主役である寄附者すらも置き去りにしているように思えます。

申出書は、まるで「踏み絵」を踏ませているよう

本市は、指定を受けるための手続きにも問題があると考えています。
以下は、指定を受けるために総務大臣あてに提出する申出書の一部です。チェックボックスにチェックをしなければ申出できません。
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申出にあたり「適正募集基準」に沿って寄附募集することを誓約するような様式になっていて、自治体からは「まるで踏み絵を踏まされているよう」だとする声も多く、地方自治、地方分権の理念に反しているのではと言われています。
また総務省は、「寄附額2億円以上」を集め、「経費50%以上」を要する自治体には、「ふるさと納税の募集に要した費用についての改善方策等」という書類において、改善方策を記入させた上で、以下のチェックボックスにチェックを入れて、費用の割合を50%以下にすることを誓約させます。
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〆切まで短期間で膨大な資料提出は嫌がらせ?

さらには、「寄附額2億円以上」を集め、「返礼割合3割超」又は「地場産品以外」の返礼品を送っていた自治体には、さらに膨大な資料が請求されました。以下の資料です。
・「平成30年11月1日から申出書を提出するまでの間のふるさと納税の返礼品等の提供状況」(受入額上位100品目)
・「平成31年6月1日以降におけるふるさと納税の返礼品等の提供予定」(全品目 ※1200種類) ※泉佐野市の場合
今回、〆切まで数日しかない中、これだけの膨大な資料を提出させるというのは、嫌がらせ以外の何物でもないと感じざるを得ません。

最終的な決定は、総務省の恣意的な判断

しかし、たとえ膨大な資料を提出したとしても、指定するかしないかは、総務省の判断といえます。
総務省の恣意的な解釈によってふるさと納税に参加できる自治体を選ぶことが可能な制度になったこと、地方自治体が総務省の機嫌を伺わざるを得ないような、地方自治の理念から程遠いルールになったことに、一地方自治体として、強い危惧を抱いています。

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